家づくりの中でも特に気を付けなければいけないのがお金です。
一生の中で一番高い買い物が「家」と言われるように、家づくりには多額のお金が必要となります。
土地購入費用、建築費用だけでなく、契約時に必要な費用など、家づくりの流れのなかでお金を支払うタイミングは多く複雑です。
計画を立てなければ、自己資金が尽きてしまった…なんてことにもなりかねません。
そこで今回は、家づくりの流れに沿って、どこのタイミングでお金の支払いが必要になるのかをまとめました。
住宅ローンの申請なども含め、どのタイミングでお金が必要になるのか、全体の流れを把握しながら解説していきます。
※目次で【¥】マークがある箇所は、お金の支払いタイミングですので参考にどうぞ
Contents
家づくりで自己資金は総費用の20%必要
家づくりにおいて、最近では「フラット35」のように、費用の90%まで融資する住宅ローンも登場したことにより、自己資金は総費用の10%でもOKという声も少なくありません。
しかし、住宅を新築する場合は、支払時期の関係や、諸経費や税金は現金で支払わなければいけないなど、何かと費用が発生する場面が多いです。
家づくりに必要なお金を支払いながら、普通に生活をしていかなければいけませんので、自己資金は総費用の20%は確保しておくことがベストです。
また、借入額については、年収の25%以下になるように返済額を抑えることが望ましいです。
世帯年収が600万円であれば、150万円が1年間の返済額としては上限に設定すべきですね。
仮に30年で返していこうと考えると、4,500万円が家づくりにかけられる最大費用となります。
そうなると、900万円は自己資金が必要な計算になりますね。
(金利なども考慮すると、できるだけ費用は押さえたいところですが…)
家を建てた後の生活が苦しくては、手に入れられるはずの幸せな時間も失ってしまいますので、余裕を持った資金計画が必要です。
家づくりの流れと合わせてお金の支払いタイミングを見る
家づくりの一般的な流れに合わせて、お金の支払いタイミングを見ていきましょう!
お金を支払う必要がある項目については【¥】マークを付けていますので、全体の流れをざっくり把握してください。
土地探し~建築プランの決定
高額な費用が必要となり、契約の書類関係も必要になるなど、頭も時間も使う工程となります。
家づくりの核ともなる工程ですので、しっかり押さえておきましょう。
土地探しから土地の購入【¥】
・土地購入費用
・売買契約書印紙税
・土地の所有移転登記費用
・手付金(契約時に必要で通用は契約後3か月以内に残金を支払う)
住宅ローンで支払いができるのは住宅が建った後となりますので、土地の購入費用などは、自己資金で賄う必要があります。
また、土地購入にあたり下記の書類が必要になりますので、事前に準備しておきましょう。
・住民票
・所得証明書
・印鑑証明書
・身分証明書など
設計・工事監理契約を結ぶ【¥】
・設計・工事監理契約の印紙税
・設計着手金(設計料の10~20%が目安)
土地が決まれば、住宅を建てる依頼先を決めていきます。
依頼先が決定すれば、図面の設計など詰めの作業に入っていきますので、設計料の着手金という形で費用を支払います。
基本設計を行う【¥】
・設計料の一部を支払い(20%が目安)
・地盤調査を行う場合は調査費用
家づくりの要望を詳しく打ち合わせしていきます。
基本設計の段階で、細かな部分まですり合わせをしておきましょう。
ここで設計に関してズレがあると、追加工事で追加費用が発生することにつながる可能性が高くなります。
実施設計と最終確認
図面から収納や照明、ドアの位置、コンセントの数など細かいところまで確認を行い、空間をイメージしましょう。
建築プラン決定【¥】
・設計料の一部を支払い(40%が目安)
実際のプランが決まったら建築工事費、今後の工事のスケジュールを確認していきます。
その際に、支払回数とそのタイミングを同時に確認しておきましょう。
建築プラン決定後~住宅工事開始
建築プランが決まったらすぐに工事開始!とはいかず、住宅ローンの申し込みや、住宅工事の契約が発生します。
建築確認申請【¥】
・建築確認申請料
・住宅性能評価申請料
・長期優良住宅申請料
住宅を建てる前に、建物が法律や条例に違反していないか自治体の確認を得る必要があります。
通常は、設計の段階で法律や条例に違反しないよう確認は行っておりますので、申請作業という位置づけです。
この確認申請は、家のオーナー自身が行うこととなります。
申請がおりるまでに1週間前後、申請料は各自治体によって様々ですが、自治体のホームページに記載があるものですので、申請前には確認しておきましょう。
また、同時に住宅性能評価申請や長期優良住宅申請などを行うことで、住宅ローンの控除や地震保険の優遇などの特典を受けることが可能性があります。
建築確認申請のタイミングに合わせて各申請を検討しましょう。
住宅ローンの申し込み【¥】
・住宅ローン契約の印紙税
・融資事務手数料
・保証料など
設計プランが決まることで、建築費用がわかるので、住宅ローンの検討段階に入ることができます。
住宅ローンの申し込みができるとはいえ、住宅ローンが下りるのは建物の完成後です。
工事途中での支払いはローンとは別に現金が必要になるので注意が必要ですよ。
また、住宅ローン申請には、下記の書類が必要になります。
・本人確認書類
・所得証明関係資料
・物件関係資料
・印鑑証明書
・住民票など
住宅工事の請負契約を結ぶ
契約時は、契約書や見積書、図面、仕様書など確認が必要な書類がたくさんあります。
当然ですが、ここでの契約内容通りに今後進んでいきます。
図面のやり直しなども、追加工事で対応できれば良いですが「できない」という結論にたどり着くこともあります。
大変ですが、すべての書類に目を通すようにしましょう。
その際、工事が遅れた場合の対応(追加の工事費用負担など)も書面で確認しておくことをおすすめします。
住宅工事開始~引き渡し完了
契約時のスケジュール通りに引き渡しまで進んでいきます。
時間があるときは、現地に足を運んでみて進捗の確認や微修正などできればベストです。
住宅工事スタート【¥】
・建築工事費の一部を支払い(25%が目安)
(建て替えの場合)
・解体工事費
・引越費用
・引越先の家賃
更地に建物を建てる場合は、建築工事費のみ支払いとなりますが、建て替えの場合は上記の通り費用が掛かりますので、事前準備をしておきましょう。
地縄張り、地鎮祭、上棟式【¥】
・建築工事費の一部を支払い(25%が目安)
・地鎮祭費用
・上棟式費用
地鎮祭や上棟式を行うにも費用が発生します。
特に上棟式については、地域によってやり方が異なりますので、その地域のやり方を調べておいたほうが良いです。
最近では上棟式を省略するケースも多いですので、柔軟に対応してOKです。
【工事】屋根、外壁、内壁、断熱、配管配線
お金の支払いタイミングではありませんが、住宅金融支援機構を利用する場合は、このタイミングで審査が入ります。
住宅金融支援機構は、民間金融機関と提携して、住宅ローン「フラット35」を提供していますので、その審査などが入ると考えておけばOKです。
また、契約時の図面通りに施工されているか現地で確認ができるのがベストです。
微修正ぐらいであれば対応できることもあります。
【工事】内部・外部仕上げ、内部建具【¥】
・建築工事費の一部を支払い(25%が目安)
工事が進んでからの変更や追加工事は予算オーバーの原因となります。
しかし、どうしても追加工事をしたい場合は、ここが最終地点でしょう。
工事内容、契約内容を変更する場合は、必ず書面で残すようにしておくことで言った言わないのトラブルを避けることができます。
後悔しないためにも決断をしましょう。
【工事】設備機器、外構
仕様書通りかチェックするタイミングです。
現地に足を運んで、自分の目で見てチェックして、完成後の不安を少しでもなくしましょう。
建物の完成【¥】
・登記関係費用
・完了検査費用
建物が完成したら、登記をする必要があります。
基本的には、家を建てた人(施主)がするものですが、ハウスメーカーや工務店の付き合いのある司法書士がするケースもありますので、手続きはどうするのか確認しておけるとベストです。
また、建物が完成したら建築基準法に沿って確認する完了検査と住宅性能表示検査を行います。
引き渡し【¥】
・建築工事費の残金
・設計料の残金
・追加工事費用の清算
・火災保険料
引き渡しの時点で、設計料や建築工事費の残金をすべて支払います。
引き渡し時点で、完成した住宅の仕上がりを隅々まで確認します。
もし、やり直し工事が発生する場合は費用負担を確認しましょう。
特に問題がなければ、保証証、設備の取扱説明書、建物手入れ案内書、鍵などを受け取り、作業完了です。
引き渡し完了後~新生活スタート
新居での待ちに待った新生活!
しかし、浮かれてばかりいると、細々したお金の支払いに追われることになりますので、気を抜かずに最終チェックです。
引越・新生活スタート【¥】
・家具、備品購入費
・引越代
・近隣挨拶手土産費用
・不動産所得税
・固定資産税
・都市計画税
・団体信用生命保険(ローンスタート時に)
近隣挨拶は、引越のタイミングで行いましょう。
ご近所付き合いは大切ですからね。
住宅を手に入れるということは、不動産を取得するということですので、それに伴った税金を支払う必要が出てきます。
また、住宅ローン控除を受けるためには確定申告も必要になりますので、必要書類の保管や手続きなど忘れずに済ませておきましょう。
【まとめ】家づくりのお金の支払いタイミングを押さえよう
家づくりにおいては、土地の購入、住宅の建築に必要なお金だけではなく、契約時など様々なタイミングでお金の支払いが発生します。
住宅ローンを受ける前に必要なお金の支払いタイミングも非常に多いので、自己資金の計画については十分に準備しておきましょう。
家づくりの計画の助けに少しでもなれば幸いです。